—こんにちは。
「いらっしゃい〜」
「ありがとぉございます。ほぼ、すべて手作りしております」
—すごい!じゃあ、世界に一つだけなんですね。
「そうですね〜。なにもないところからデザインをおこすっていうのが楽しいんです」
—この緑色、好きです。
「サンドブラスティングっていって、砂を吹き付けて模様つけるんですよ。
緑は鉄砂。薄ピンクのは金。濃い赤は銅。青は…青は…え〜と…そうそう、コバルトです」
—こちらのお店に置いてある商品は、ネット販売とかはしてないんですか。
「ネットとかはね〜、よく分かんないですし、やっぱり、手にとってみてほしいですしね。
わたし携帯電話とかもぜんっぜん使わないですわ。人とのやりとりは実際に顔合わせるか、この白い電話ですませてますわ。
ほんっと、ラクですわ」
—ほ〜……そうですか…
携帯・ネット手放せない自分からすると、すっきりした生活、すてきに感じますわ。
あの、ぜんぜん話違っちゃいますけど、最近の若者ってどう思います?
「いやぁ、最近の若い人たち、ハングリー精神とかそういうものが足りてない気がしますね。
うちらの時代と育てられ方違うな〜って感じですね…いろんな面で、しっかりせい!って感じですわ!
そういえばね、この前若いカップルの方がお店の前とおって、
”きれい〜!””これはね、ガレもどきだよ””そうなの?すご〜い!ものしり〜!”なんて会話がありまして、
”いや、これはガレもどきじゃない、わたしの、吾(われ)のものなんよ!”ってもういいたくていいたくて…」
—それはそれは…(ガレ…ガレ…?あとでググろう…)
このお店はいつからここにあるんですか?
「1977年くらいですかね。
わたし、この鎌倉の地で生まれ育ったんですけど、昔ここらへんでお店ひらくときは、”レジないわ〜”っていう人がいたら
”あ、うちの押し入れにレジあるから使いなよ”な〜んてやりとりがあって、もらったものだけでお店ひらけちゃうのが普通でしたからね…
あったかいとこですよ、鎌倉」
—へぇ、そうなんですね〜…ほんと、あったかいですね。
「つながってるって感じがしますね〜」
—いろいろお話してくださってありがとうございました。楽しかったです。
「はい、また気軽に遊びにきてくださいな。わたしも、いろいろ話せて楽しかったですわ〜」
長尾美奈子